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 遺言は何故するのか?と考えますと、遺言がない場合、相続人間で遺産分割協議や法定相続分で相続され、被相続人の意志が反映されません。遺言をしておけば、自分の意志で財産の処分を決めておくことができるのです。お世話になった人がいる、後々財産の分与でもめそう!と考えている人、またそうでない人も遺言をお薦めします。

遺言書の存在

遺言をするメリット
 ・自分の意志で財産を処分出来るということ(遺留分の制限はあります)
  先にも述べましたが、老後にお世話になった「息子の嫁」に財産を残してあげたい!
  内縁の妻にも財産を残してあげたい!と考えているなど、法定相続人でない人に自
  分の財産を与えることが出来ます。
 ・死後に紛争を残さないようにできるということ
  遺言で遺産分割の方法を決めておく、子の認知をする、マイナス財産の処理方法を
  明確にしておく、など死後の紛争や問題を未然に防ぐことができます。

 このようなときは遺言をする
 @遺言によって認知したい子がいる場合
 A借金が多く、相続人に不利益を与える恐れがある
 B親不孝な息子、娘には遺産を相続させたくない
 C相続人の一人に遺産の全部、または大部分を相続させたい
 D相続人以外に財産を分与したい(これを遺贈という)
 
 遺贈とは
 遺贈とは、財産を遺言によって特定の人に無償で与えることです。
 遺贈を受ける人を受遺者といい、遺贈は受遺者の承諾を必要としないのですが、受遺
 者は遺贈を放棄することも出来ます。
 受遺者は相続人でない人、会社などの法人でもかまいません。
 @内縁関係の妻に財産を与えたい
 A老後の面倒を見てくれた息子の嫁に財産を与えたい
 B学校、慈善団体などの法人に財産を与えたい
 などで、遺贈が行われます。
 
遺留分滅殺請求
 相続人の財産のうち、一定の相続人に必ず承継されるべきものとされる一定の割合
 を「遺留分」といいます。これは残された相続人の生活を保障するという観点からくる
 ものです。
 これを侵害された場合、侵害された人が家庭裁判所へ遺留分滅殺の請求をすること
 になります。遺留分滅殺請求は申告しなければその効力は得られないので、放って
 おくと相続財産は戻ってきません。
 遺留分滅殺請求権は、相続開始と滅殺すべき贈与または遺贈があったことを知った日から1年で時効になります。

 遺留分の割合
  第一順位の相続      第二順位の相続      第三順位の相続
 配偶者と子の場合      配偶者と直系尊属     配偶者と兄弟姉妹
 配偶者   1/4       配偶者  1/3       配偶者  1/2
   子     1/4       直系尊属 1/6       兄弟姉妹   0
                                兄弟姉妹には遺留分はありません。

 遺留分滅殺請求の記入例
  その1   その2

遺言書が無効な場合
  遺言は、満15歳に達した人なら、原則として誰でもすることができます。また、何を書こうと自由です。
 遺言が法律上効力をもつ場合
 @財産の処分
 A認知(婚外子の法律上の親子関係を創設する行為)
 B未成年後見人及び後見監督人の指定
 C相続人の廃除または排除の取り消し
 D相続分の指定、指定の委託
 E遺産分割の指定または指定の委託
 F遺産分割の禁止(5年以内の分割禁止を指定できる)
 G相続人相互の担保責任の指定
 H遺言執行者の指定または指定の委託
 I遺贈滅殺方法の指定

 自筆証書遺言の場合、作成には注意が必要です。
 以下の場合、無効になります。

 @パソコン、ワープロなどて作成する
 A本人以外の人に代筆してもらう
 B作成年月日をいれない
   平成○○年○月大安 はだめです。

 押印は実印でなく、認印でも結構です。ですが、後々のトラブルをさけることを考えると、実印+印鑑証明というセットで考えておくのをお薦めします。

 遺言書が数枚にわたる場合は、割印をしてください。

遺言の方法
 遺言には、普通方式と特別方式があります。
通常は普通方式が一般に言われている遺言です。特別方式というのは、普通に遺言を書けない状況にあるとき、例えば「死亡の危急に迫った場合」、「遭難した船の中の場合」などがあります。

一般的な普通方式には
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

遺言の種類 メリット デメリット
自筆証書遺言
費用がほとんどかからない。
簡単に自分の思ったとおりに作成できる。
作り直すことも容易である。
証人がいらない。
遺言の内容、存在を秘密にできる
紛失の恐れがある。
第三者に変造、偽造される恐れがある。
一定の用件を満たさないと無効となる恐れがある。
家庭裁判所の検認が必要である。
公正証書遺言 安心、確実に遺言が残せる。
紛失の場合、再発行できる。
検印の必要がない。
手間と費用がかかる。
遺言の存在・内容が秘密にできない。
証人が2名必要になる。
秘密証書遺言 遺言の存在は秘密にできないが、内容は秘密に出来る。
自筆証書遺言として有効になる場合がある
手間と費用がかかる。
家庭裁判所の検認が必要である。

おすすめは公正証書遺言です。

自筆証書遺言を作成した時は
封筒に入れ、封印を押します(封印は法律上は要求されていませんが、押しておいた方が後々のトラブル防止になります)。
封筒に「遺言書」と明記すれば、後に破棄されることも少ないはずです。作成後は自分で保管するか、推定相続人、遺言執行者などに預ける方法になります。第三者的で、専門家でもある行政書士等に保管してもらうのも良いと思います。
相続人が、遺言書を勝手に開封すると5万円以下の過料に処せられますので、封筒に入れた場合は、必ず
「遺言書」の明記をすることに注意しましょう。

公正証書遺言
公正証書遺言とは、作成を専門家である公証人が作成してくれます。また、遺言の原本は公証役場に保管されますので、紛失した場合も再度発行して頂けるので安心です。
公正証書遺言の場合、存在が確実になり、紛失、変造、偽造される恐れがなくなります。
公正証書遺言作成は遺言者が公証人に遺言の内容を口述し、その内容を公証人が筆記し、遺言者と証人2名に読み聞かせ、間違いがなければ署名し、実印を押すという作業になります。あらかじめ書面にした内容をもとに公証人に筆記してもらうことも可能です。
原本は公証役場に保管、正本1通、必要であれば謄本を推定相続人、遺言執行者へ預けておくことも可能です。
家庭裁判所での検認が不要となります。これは公に認められた遺言であるということです。

 
公証人の手数料

 

 

 

 

 

     目 的 の 価 額

  手 数 料

       100万円まで

  5,000円

       200万円まで

  7,000円

       500万円まで

 11,000円

      1,000万円まで

 17,000円

      3,000万円まで

 23,000円

      5,000万円まで

 29,000円

          1億円まで

 43,000円

以下超過額5,000万円までごとに3億円まで13,000円、10億円まで11,000円、10億円を超えるもの8,000円加算

*遺言手数料の場合は目的価格が1億円まで11,000円加算された金額になります。


秘密証書遺言
あまり利用はされていない方法です。
秘密証書遺言は遺言の内容を知られたくない場合に利用します。
自筆である必要はなく、ワープロ等による作成でもよく、最後に署名をし実印を押します(認め印でも可)。
遺言書を封筒に入れ、遺言書におした印と同じ印で封印をします。
証人2人と公証役場に出向き、公証人1人の前で自己の遺言書である旨を述べ、遺言者、証人、公証人がそれぞれ署名し押印をします。
秘密証書遺言としての要件を欠けていても、自筆証書遺言として有効となる場合があるので、なるべく自筆証書遺言の方法により作成することをお勧め致します。


遺言書の検認
 
遺言書が見つかった時、被相続人による封印がしてあった場合、勝手に開封してはいけません。前に述べた過料に処せられることがあります。
 
まずは遺言書が見つかったら家庭裁判所へ検認の手続をすることです。
検認の申立手続は推定相続人のどなたでも申請できます。遺言書の検認とは、家庭裁判所が遺言書の形式、状態を調査、確認する手続です。
 TOPページでも説明していますので、遺言書検認申立書はそちらを確認してください。
検認は、遺言者の遺言であることの確認を意味します。また、これを証拠として保全することを目的としています。
戸籍謄本の添付もお忘れなく。

遺言書をめぐるトラブル
@遺産分割後に遺言書が見つかったとき
 やっとの思いで相続登記などの手続が終わったとき、後から遺言書が発見された場合、遺言は遺言者の最終的な意思表示ですので、分割協議に優先されてしまいます。
結果、遺言書どおりにやり直すのが原則です。これもケースバイケースがありますので、このような場合はご相談下さい。
A遺言書が無効の時
 遺言書が見つかり、家庭裁判所で検認をすんでも、前に述べた自筆証書遺言の場合などで作成方法がおかしいとき、遺言書として無効になるケースがあります。
 このような場合、家庭裁判所へ遺言無効の調停申立を行います。
 遺言書全てが無効にならず、贈与契約書などとしい有効になることもあります。
B遺言で指定された財産がないとき
 遺言でどなたかに特定の土地を与えるとあった場合、確認したところ、既にその財産が遺言者により処分されていたということもあります。
 相続開始時に相続財産に属しない(含まれない)ものの遺贈は効力を生じないので、当然もらえることはありません。
但し、金銭の場合は現金がなくても効力ありと解されるケースがあります。
C遺言で認知されたがおかしいのでは
 内縁の妻の子を遺言で認知したが、実際は事実に反する認知場合、家庭裁判所に認知無効の調停を申立ます。これでもうまくかない場合、訴訟であらそうことになるかもしれません。
D財産の全部を寄付するという遺言の場合
 このような場合、先に述べた遺留分は相続人の権利ですので、取り戻すことができます。

  
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